ばかなことをする男だ

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串刺しにされ、業火に焦げ、消し炭のような身体に変わり果てたなっぴから、鮮血と共に「マルマ」が抜け出した。「マルマ」はなっぴの身体に言葉を浴びせた。

「思いの外、快適だったぞ。まあいい、こうして仲間さえ見捨てるような巫女は『リリナ』の足元にも及ばぬわ。さあヨミ、わしと戦ってみるか? この星を賭けて、クククッ」
「残念だが、わしはこの娘に『浄化』されてしまった。それにヒメカそしてクシナの末裔は、この娘にまだ望みをつないでいる……」
「こんな消し炭にまだ望みをつないでいるだと?」

イブとして幾多の命を分け与え、大いなる母となり、リカーナにその役目を引き継ぎ死んでいったリリナ。虫人たちを原始生命体にまで融合さえ可能な「力」を得たリカーナは、「ゴラゾム」との間に「マンジュ」を、そして「ビートラ」との間に「アロマ」を産んだ。

「リリナ、何故わしが分け与えた『不老不死』の力を使わなかった……」

マルマはなっぴの身体から半身を乗り出し、横たえた「消し炭」を振り返る。彼は、なっぴの中に何を見たのだろうか?

「マンジュ」はイブの力を「メタモルフォーゼ」として封じたのだろうか、それとも進化させたのだろうか?「アロマ」が行なった再誕術はやがてアガルタに多大なる影響を与えた。それを元に戻すため「マンジュ」と「リカ=里香」は遂に次元を超える。リカの持つ「イブ」の力は、母「マンジュ」のように内包するものではなかった。のちの「メタモルフォーゼ」のように、そのシステムが起動するためには経験と時間が必要だった。そして香奈が産まれる、アガルタの「カイリュウ」の王子「シラト」が父、姉は「里奈」それが「セイレ」の母である。

なっぴの身体と融合し、その記憶の全てを覗いたマルマは、その時代の主人公にでもなったような気持ちになった。ほんの束の間の一生にこの者たちは、なんと多くの試練を超えるのか。マルマが気の遠くなる時間をかけて、ようやく気づいた命に限りのある意味、リリナが「不老不死」を封印した訳を知るのである。だが、マルマはヨミとは違っていた。

「わしは、ヨミ、おまえとは違う。わしの身体は長きにわたり、進化を遂げた。ダーマそしてヒドラがわしのこの星での姿、今こそ『ノア』として蘇ればいい。

「ラグナ、ノア!」
その声にダーマの入ったカプセルを包む「ブルー・ストール」が解かれた。転がるカプセルに「ヒドラ=ナナ」が吸い込まれる。それを止める者はすでにいなかった。なっぴの身体を完全に捨て去り、マルマは次の新しい身体をとうとう手に入れた。二人の巫女は炭化し、ひからびたなっぴを抱き起こした。マルマがその姿を見て、嘲り笑った。

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